不当な顔認証データを消し去る方法は?

顔認証防犯システムで取得された顔認証データは、個人情報に当たります。不当な顔認証データで苦しんでいる被害者は、個人情報保護法に基づき、顔認証データの開示・訂正・削除等を請求することになります。

Q そもそも顔認証データは、どのように取り扱われるの?

主に店舗での万引き被害を防止するために、警備会社から顔認証防犯システムが各店舗に販売・提供されています。

顔認証防犯システムで収集した不特定多数の顔認証データは、個人を簡単に識別できる情報ですので、法律上の「個人情報」に該当します。

通常、顔認証データの利用目的は、「店舗内での防犯目的」として明示されており、原則として収集した事業者が第三者に提供することは禁止されています。例外として第三者提供が可能な場合としては、犯罪捜査のためなどに限定されています。

そのため、一つの店舗で取得された顔認証データを、警備会社が他の会社に提供する行為は、個人情報保護法に抵触することになります。法律の建前上は、一度防犯登録された顔認証データが、同一の防犯システムを採用する店舗間で無条件に共有されることはあり得ないのです。

業界大手のリカオン株式会社は、全ての顔認証データを7日間だけ保管し、その間に防犯登録された顔認証データは、180日間経過後に自動的に削除される仕組みを採用しています。

なお、自分の顔認証データについて、不当な防犯登録を受け、冤罪被害を受けた方にとって有力な手段があります。

被害者としては、防犯登録がなされた店舗の運営会社または防犯システムを提供する警備会社に対し、個人情報保護法に基づき、顔認証データの開示等を求める方法を検討すべきでしょう。

顔認証データの利用目的  店舗屋内・事務所などの防犯目的として利用
顔認証データの第三者提供 ・本人の同意を得た場合
・法令に基づく場合
・犯罪捜査の要請を受けた場合
・生命・身体等を保護するため
顔認証データの保管方法 ・全ての顔認証データを最長7日間保管後、自動削除
・防犯登録した顔認証データは、180日間経過後に自動的に削除
顔認証データの開示等の請求先 ・顔認証防犯システムを提供する警備会社
・システムを設置する店舗の運営会社

Q 顔認証の冤罪被害者が、データの開示・訂正・削除等を求める方法は?

顔認証の冤罪被害者は、自分の顔認証データが防犯登録されているのか知りたい、身に覚えのない登録データを解除してほしいと考えています。

顔認証データは、法律上の個人情報に当たりますので、顔認証データを保有する店舗や警備会社に対し、一定の要件のもと、顔認証データの開示・訂正・削除等を求めることになります。

顔認証データの開示

まず、被害者としては、顔認証データの開示を求める手続が出発点となります。自分の顔認証データが、知らないうちにデータとして蓄積され、場合によっては防犯登録までされているのではないかとい不安を開示手続により払拭することができます。

事業者としては、原則として顔認証データを開示すべき義務があります。ただし、業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがあることを理由として、開示を拒まれてしまう可能性があります。

しかし、特定の個人の顔認証データの保管の有無や、防犯登録の有無などの情報を開示することが、業務に著しい支障を与える事態は考え難いため、開示を拒否することに合理的理由はないといえるでしょう。

顔認証データの訂正・削除

開示を受けた顔認証データが、何らかの理由で防犯登録されており、その登録理由に身に覚えがない場合には、訂正・削除請求として、防犯登録を解除するよう求めることができます。

店舗運営会社や警備会社は、事実関係を調査の上、被害者の主張内容に理由があれば、防犯登録を解除してもらうことができます。

ただし、店舗側としては、何らかの理由で防犯登録している可能性が高いため、被害者との間で見解に違いが生じる可能性があります。その場合、店舗や警備会社との間で、防犯登録の解除を実現するため、粘り強く交渉することが必要となります。

顔認証データの利用停止・消去

顔認証データを、防犯目的以外のために利用された場合には、事業者に対し、顔認証データ自体の利用停止・消去を求めることができます。

また、店舗や警備会社が、顔認証データを無断で第三者に提供している場合には、第三者提供の停止を求めることができます。

要件  効果
開示  本人から開示を求められたとき 原則として、遅滞なく本人に対し書面により開示する。
訂正・削除 個人データの内容が事実とは異なるとき 必要な調査を行い、調査結果に基づき、保有個人データの訂正・追加・削除を行う。
利用停止・消去  ・利用目的の範囲を超えた利用行為
・偽り・不正手段を利用した個人情報の収集
保有個人データの利用停止・消去
本人の同意を得ずにした第三者への提供 保有個人データの第三者提供の停止

顔認証防犯システムは、店舗運営側にとってはメリットのある仕組みですが、店舗の利用者にとって、適正な手続を踏まずに簡単に冤罪被害に陥れられてしまうものです。

被害者が、被害の実態を個人で把握することは事実上難しいのが実情です。

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